2007年9月10日月曜日

パスモの販売再開

 関東地方の地下鉄、私鉄、バスなどで利用できる交通ICカード「パスモ」の発売が再開されます。

 パスモのデビューは今年の3月でしたが、予想外に売れてしまい在庫が少なくなってしまったため、定期券以外のパスモの販売が中止されていたのですね。

 だいたい、それまでの利用者数などから十分な枚数を用意し、生産体制ももっていたはずなのに、半年も販売を規制する必要に迫られるというのはなんだか不思議ではないでしょうか。

 私はスイカの愛用者で、スイカとパスモは相互利用ができるので、新たにパスモを購入する予定はなかったため、ほとんど不便を感じませんでしたが、約半年購入を待たされた方たちは、販売が再開されたらやはり購入されるのでしょうか・・・? もしかしたら、同じ役割のあるスイカを購入してしまい、パスモは不要になったかもしれません。

 このパスモのように、想定していたよりも売れてしまい在庫が不足してしまう事態はときどき発生しています。某ビールの黒とか、お茶のブランドでもありました。
 売れてしまって「うれしい悲鳴」、と笑っていられるのは、こうしてニュースになるような大手ブランドならでは。かえって宣伝になるということもありえます。

 しかし、中小企業にとって、想定外の売れ行きによって品切れになってしまったり、サービスが提供できない(飲食店などでよくあります)という状況は、「売り逃し」という目に見えない損失と、顧客からの信頼の損失、この両面からダメージが生じます。

 目玉商品が常に品切れ状態というWeb Shopや、注文してから出来上がりまでに時間のかかるラーメン屋があったらどうしますか?

 入荷してから再び商品を売り出すには、新製品を売り出すのと同じくらいのプロモーションが必要であり、一度失った顧客の信頼(うわさ、口コミの評判)を回復するのも容易ではないでしょう。
 そうなると、さらにコストがかかり経営を圧迫することにもなりかねません。

 こんな事態を防ぐためには、まずは自社の生産体制(生産能力、資金)、仕入れの能力をしっかり把握すること。そして、その生産・仕入れの能力に見合う販売活動をすることです。

 具体的には、過剰なプロモーション(チラシやDMの配布など)を行わないこと、過剰なチャネル(店舗・Web Shop、卸売りなど)を展開しないこと、場合によっては限定生産であることや、生産数をあらかじめ明記するなどの対策が考えられます。

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